専門分業型AIと動的自己最適化により、説明可能かつ堅牢な意思決定基盤を構築。金融AIの「ブラックボックス問題」を解消し、次世代のRegTechをリード
EAとAI(人工知能)の融合を専門とし、金融コンプライアンス(RegTech)領域における先進的なソリューション開発を手掛けるAI MQL合同会社(本社:東京都港区、以下「当社」)は、本日、金融取引システムや高度なリスク管理システムの中核技術となる「階層型マルチAIコンセンサス・システム」に関連する一連の特許の出願を決定したことを発表いたします。
今回出願を決定した特許ポートフォリオは、複数のAIエージェントが専門的に協調し、システム自身が過去の実績から学習して精度を自動的に最適化する独自のフレームワークに関するものです。これにより、複雑化するグローバル金融市場において、AIによる高度な分析能力と、規制当局が求める高い説明責任(XAI: Explainable AI)およびシステムの堅牢性を両立させることが可能となります
■ 背景:金融AIにおける「精度」と「説明責任」の課題
近年、金融業界、特にプロップトレーディングファームや証券会社においては、市場分析、リスク管理、不正検知のためにAIの活用が急速に進んでいます。しかし、従来のAIモデルは以下のような構造的な課題を抱えていました。
単一モデルの限界と適応性の欠如: 複雑で変化の激しい市場環境に対し、単一のAIモデルでは多角的な分析が困難であり、市場の変化に動的に適応する仕組みが不足していました。
ブラックボックス問題: AIの判断プロセスが不透明であり、なぜ特定の判断が下されたのかを説明することが困難でした。これは、コンプライアンス上の大きなリスク要因となっていました。
リスク管理との分断: AIによる分析(シグナル生成)と、それに基づくリスク管理(パラメータ設定)が分断されており、分析結果の「質」に応じた柔軟なリスクコントロールが実現できていませんでした。
■ 出願予定特許技術の概要と4つの革新的要素
当社が特許出願を決定した「階層型マルチAIコンセンサス・システム」は、これらの課題を解決するために設計された、独自のアーキテクチャと自己学習メカニズムを備えた統合システムです。本特許は、システム全体を保護する「基本特許」と、個別の革新的なプロセスを保護する複数の「方法特許」から構成される予定です。中核をなす技術的特徴は以下の4点です。
1. 専門分業と階層的検証プロセス(アーキテクチャ)
単に複数のAIを利用するのではなく、各AIエージェントに「定量的分析」「論理的整合性検証」「センチメント分析」といった異なる専門的役割を与え、並列で分析させます。さらに、その結果を「初期スクリーニング」「専門家分析」「最終検証」という3段階の階層的なワークフローで処理します。これにより、多角的な視点からの分析と、厳格な検証を同時に実現します。
2. 実績に基づく動的自己最適化ループ(学習・適応)
システムは静的に動作するのではなく、過去の分析実績と実際の結果(約定履歴等)を継続的に照合します。独自の評価指標(複合スコア)を用いて、各AIエージェントの「信頼度(ウェイト)」を動的に計算し、パフォーマンスの高いAIの影響力を自動的に高めます。この自己学習プロセスには平滑化技術(EMA等)が組み込まれており、直近のノイズに過剰反応することなく、安定的にシステム全体の精度を最適化します。
3. 多層的セーフティフィルター(堅牢性・安全性)
AIによる確率的な分析結果に対し、複数の決定論的な安全機構を適用します。具体的には、「AI間の合意形成の強度」「入力データの品質」「市場構造(例:重要な価格レベルへの近接度)」という3つの異なる観点からリスクを評価し、AIの判断スコアを補正または拒否します。これにより、システムの誤判定リスクを極小化し、堅牢性を高めます。
4. コンテキスト認識型リスク連動(高度なリスク管理)
市場の状況(コンテキスト)とAIの分析結果の「質」に応じて、リスク管理パラメータを動的に制御する高度な連動(インターロック)機構です。例えば、市場が不安定な場合(レンジ相場など)にはAIプロセス自体の動作を制御(ゲート機能)し、また、AIの「確信度」が高い場合には、それに応じたリスクパラメータ(TP/SL等)を動的に生成します。
■ 今後の展望とグローバル・ニッチ戦略
今回特許出願を決定したコア技術は、当社が推進するグローバル・ニッチ戦略の基盤となるものです。これらの技術は、特定の取引戦略に依存せず、MT4/MT5環境を含む多様な金融システムに応用可能です。
特に、当社が注力し、直近でも発表した「AI×法務×SRE」統合型ソリューション(2025年11月12日付プレスリリース参照)において、本技術は中核的な役割を果たします。プロップファーム等が直面する高度な不正取引(例:コピー取引、レイテンシーアービトラージ)の検知(矛)と、規制当局や市場参加者に対する説明責任(盾)を果たすための、客観的かつ技術的な証跡を提供する基盤として活用してまいります。
AI MQLは、これらの特許技術を活用し、世界の金融市場におけるリスク管理とコンプライアンスの新たなスタンダードを構築することを目指します。
(※当社は投資助言に該当する業務は行いません。)
【A MQL合同会社について】
AI MQL合同会社は、MetaTrader(MT4/MT5)と最先端のAI技術(ジェネレーティブAI、説明可能AI)の融合を専門とするフィンテック・RegTech企業です。金融技術に特化したQA(品質保証)およびSRE(サイト信頼性エンジニアリング)の知見を活かし、高品質かつ安定した金融システムの開発・保守・運用・テストを提供しています。独自の「価値共創モデル」に基づき、顧客との戦略的パートナーシップを通じて、金融市場のイノベーションをリードします。
会社名:AI MQL合同会社 (AI MQL LLC)
所在地:東京都港区
事業内容:MT4/MT5へのAI組み込み開発、金融リスク管理ソリューション提供、VPS保守点検、MQL4/MQL5コードのテスト・実証
URL:
https://ai-mql.com/
【本件に関するお問い合わせ先】
AI MQL合同会社 広報担当 Email: info@ai-mql.com
提供元:
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