起業・ベンチャーの成功&失敗の法則が語られる
企業家ネットワークなど4社主催での起業セミナー「起業を増やさナイト」が、2月24日に東京・八重洲のビジネスセンターで開催された。
講演者は、公認会計士・税理士でアルファブロガーの
磯崎哲也氏、レオス・キャピタルワークスCIOの
藤野英人氏、日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP)代表の
村口和孝氏というベンチャー業界に最も詳しい3氏で、起業・ベンチャーの成功&失敗の法則について語った。
参加者は約130名で、会場は満員に。参加者から活発な質問も飛び交い、大いに盛り上がった。
「起業は楽しい、ただ正確な情報が重要」と磯崎氏
最初に登壇した磯崎氏は、「ベンチャー企業が成長を遂げていくには、正確な知識や情報を得ることが重要。現状は資本政策に失敗する事例が後を絶たない。例えば、気前よく他人に株式を渡したり、計画性もなく何度も資金を調達し想定以上に株主を増やすことなど、資本政策を誤ることで、後では修正がきかない」といい、
「ただ、起業・ベンチャーはとても楽しい。何より世界をよりよく変える力がある。正確な情報を知った上で、ぜひ起業にチャレンジしてほしい」と語った。
「起業家の勝ち方は沢山ある」と村口氏
村口氏は、「起業家は何をやっても良いが、ベンチャーキャピタルとして私が絶対に聞くのは、何故あなたはこの事業をやりたいのかであり、その答えでその人に5年間かけてみようと思えるかどうかで投資を決める」といい、
「勝ち方は沢山ある。起業家はたくさん働いて良い。5時間しか働かない会社に、10時間働くことで勝てばいい。組織人として出世という生き方と起業家としての生き方はルールも考え方も違う」とする。
そして「起業は失敗する可能性が高い。でも転びながら成長し、正しく稼ぎ、社会に貢献する。それこそがベンチャーの本当の魅力であり、最大の充実感だ」と論じた。
「日本の活性化のため、志の高い起業家が増えることに期待」と藤野氏
藤野氏は、「起業で成功するための十分条件はない。しかし必要条件はある。それは、勤勉・倹約・正直・礼儀正しい・熱心・コミュニケーション重視などだ。『勤勉であれば必ず成功する』という保証は残念ながらないが、勤勉でないのに成功することはありえない」とする。
そして、「起業家と一般のサラリーマンの最大の違いは頭の良さや経験ではなく、挑戦心」「『労働=時間とストレスをかけるもの』との誤った労働観が日本を支配しており、これが日本の最大の問題。だが仕事や会社のミッションとは本来、魅力的な商品やサービスを生み出し、適正な収益を上げて、社会に貢献すること。だからこそ、志の高い起業家が増えることが、日本の活性化にとって最も重要」と熱く語った。
ディー・エヌ・エーの南場智子社長について--村口氏
また質疑応答では、参加者から活発な質問が飛び交った。
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ディー・エヌ・エーの南場智子社長について、「経営者としての強みや魅力は?」との質問に、
同社に創業時から出資したNTVPの村口氏は、
「南場さんのすごいところは、1.良い意味でしつこい。創業時には南場さんから何度も電話がきて相談を受けた。2.根性があった。絶対に諦めない。3.何より情熱がある。4.成功にかける気合や想いが強い。5.他人からのアドバイスをしっかりと聞いて、修正し、その後自分の提案を持ってきてぶつかってきたところだ」と語った。
Twitter がセミナーで活用!
本セミナーは、Twitter(140文字以内で情報を投稿・共有するコミュニケーションサイト)でも、磯崎氏や藤野氏、村口氏らが情報を発信する中、「間違った起業の神話が流布されている。起業の成功は正しい知識と情報だ。今回は正確な情報を起業家や起業を目指す人に伝えたい」という主旨のもとに開催された。
参加者の多くが Twitter 経由でセミナーの内容を知り申し込みをしており、講演中や講義後もTwitterで講演内容が常時アップされ、リアルとネットの双方で大いに盛り上がった。
感想の中には「実に常識的な本質を押さえた話しで素晴らしかった。お祭り騒ぎのベンチャーカンファレンスより遥かに良いと思う」など賞賛の声が多く集まった。
Twitter 上での本セミナーの情報や内容は、以下で閲覧できる。
本セミナーのハッシュタグ:#kigyo
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<共同主催4社>
磯崎哲也事務所 株式会社企業家ネットワーク 株式会社日本テクノロジーベンチャーパートナーズ レオス・キャピタルワークス株式会社●
本セミナーの開催案内