■どうみても精子です。本当にありがとうございました
無精子症の患者さんが「
どうみても精子です。本当にありがとうございました」という時代がやってくるのだろうか?
2013年4月24日、東北大学は多能性幹細胞を生殖細胞にする分子機構を発見したことを発表した。
同論文は、23日付で「Nature Communications誌電子版」に掲載されている。
多能性幹細胞は様々な細胞に直接分化できる。これが再生医療につながるとされている。
しかし、多能性幹細胞が自発的に生殖細胞(精子、卵子)に変化することはない。
生殖細胞は精子と卵子にのみ分化する。この両者の分化には明らかに違いがあるのである。
■マウス実験で分化のスイッチを発見
東北大学ではマウスを使った実験を実施。
マウスの多能性幹細胞株であるES細胞から生殖細胞に分化する分子機構を発見した。
転写制御因子MaxがES細胞で、生殖細胞でだけ発現する遺伝子群の発現を抑制するのである。
転写制御因子Maxを人為的に抑制することで、ES細胞を生殖細胞に分化させることが可能であることを確認したのである。
Maxの機能低下が多能性幹細胞を生殖細胞に分化させるスイッチであることを発見したことになる。
マウスの多能性幹細胞株であるES細胞で、生殖細胞でだけ発現する遺伝子群の発現を抑制する働きをもつ
同大学では、この技術は将来的に家畜などの繁殖。絶滅危惧種の保護などに活用できるのではないかとしている。
人間への利用については言及していない。【
naka773】
東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/Nature Communications誌電子版
http://www.nature.com/ncomms/journal/v4/n4/full