■私立大学経営の実態が明らかに
2012年11月19日、
帝国データバンクが特別企画として「
全国私立大学482校の経営実態調査」を発表した。
この調査は全国の私立大学605校から抽出された482校の経営状態を調べたものである。
1.2011年度の収入高を見ると、「収入高10億~50億円未満」が207校(構成比45.8%)で最多。また、創立100年以上で「10億円未満」となった大学は2校存在した。
2.損益動向では、黒字大学は213校(構成比59.3%)となった。赤字大学の146校(同40.7%)を上回った。赤字大学(146校)のなかで、「3期連続赤字」が86校(構成比58.9%)となり過半数を占めた。
3.地域別の大学数を見ると、「関東」が187校(構成比38.8%)でトップ。次いで、「近畿」97校(同20.1%)、「中部」61校(同12.7%)となり、3地域で全体の7割強を占める。
調査の結果、
赤字校が40.7%を占めることが判明。また赤字校の中でも
60%近くの86校が3期連続赤字であることが分かった。
■大学倒産時代が来るか?
来春開校予定の3大学、
「秋田公立美術大学」、「札幌保健医療大学」、「岡崎女子大学」の認可がニュースとなったのは記憶に新しい。
田中真紀子文部科学大臣の判断に問題があったことが批判されている。しかし、私立大学側の経営も厳しい状況であることは変わらない。
「
創造学園大」を経営する群馬県の学校法人「
堀越学園」には文部科学省から解散命令が出ている。
今後、少子化が進む中、地方の無名大学だけではなく、伝統のある大学すら経営危機に直面する可能性がある。
帝国データバンクの調査では
創立100年以上の大学でも3期連続の赤字を記録した大学が
17校あることが判明した。
大学の大量倒産時代はすぐそこまで迫っているのかもしれない。
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naka773】
全国私立大学482校の経営実態調査 | 帝国データバンク[TDB]
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p121102.html