■東日本大震災によって揺らぐ地震学
2012年2月4日、読売新聞は内閣府が従来の首都直下地震の発生規模や被害想定を見直すとの報道を行った。
想定していた立川断層などの震源18パターンに合わせ、従来の説では想定外であった相模トラフ沿を震源とするプレート境界型のマグニチュード8クラスの巨大地震も想定することになった。
従来の想定の場合においてもその被害は死者11000人、焼失建物が65万棟とされてきた。
そして、経済的な損失は112兆円に上るというものであった。
この試算が行われた2004年当時から経済情勢も変化しており、首都直下地震によって受ける人的、経済的な被害は更に大きなものになると想定される。
■急がれる防災対策
この当時に指摘された首都圏の地震に対する脆弱性はどの程度解消されているのであろうか。
まず、地震で最も恐ろしい火災である。2004年時点においても東京中心部は建物の不燃化が進んでいる様子が分かる。
しかし、その外周部は住宅地域が広がり木造家屋が中心であり、火災に対して非常に脆弱である。この外周部の防火対策が重要なポイントになるのではないだろうか。
また、最大で700万人の避難生活者が発生するとしている。しかし今でも、東京都ではそれを吸収するだけの準備はできていない。
行く先のない避難者が10数万、100万単位で発生する可能性があるのである。
今後は官だけではなく民間企業との連携も考えつつ、首都直下地震に対する防災を考えなければいけないのではないだろうか。
実際にJR東日本や東京メトロなどでは各駅で帰宅困難者のための準備を行っている。
防災、そしてその後に発生を避けられない避難者を収容をどのようにすべきなのか早急に検討を行っていくべきであろう。
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naka773】
首都直下地震の想定見直し、M8級も検討へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120204-OYT1T00653.htmJR東日本 東京都からの要望で帰宅困難者対策として主要な30のターミナル駅に500ml飲料水の備蓄を確保
http://water-news.info/2089.html東京メトロ 10万人以上の帰宅不能者を想定した飲料水と毛布を配備
http://water-news.info/2329.html首都直下地震の被害想定(概要)
http://www.bousai.go.jp/syuto_higaisoutei/pdf/higai_gaiyou.pdf