■原発再稼働は夏の電力供給に必須?
2012年4月17日、大阪府と大阪市が合同動いている
第6回府市統合本部のエネルギー戦略会議が開催された。
この中で夏場の電力は「
原発再稼働」が無くとも需要を満たすとする独自試算を発表が4月19日に同会議のサイトにて公表された。
原発を再稼動しなくても今夏の電力は足りる同試算は、環境エネルギー政策研究所の所長・飯田哲也特別顧問によるものである。
需要削減の努力、供給力のピークの絞り込み、中部、中国、北陸など他地域からの電力の融通などを考慮することで「
原発再稼働」なしで夏場の電力供給は問題ないとする結論に至っている。
現在、再稼働が問題となっている、福井県の大飯原発3、4号機に関しても、福井県の山田啓二知事は慎重な姿勢を崩していない。地元ではかなり強い反対運動もある一方で、経済的な問題から原発再稼働を望む声も上がっている。
■長期的な電力需給の問題は?
これから日本はかつてない人口減少期に突入する。
「今年の夏」という短期的なものだけではなく、長期的に本当に原発が必要であるのかどうかと言う点について議論すべきと言う提言が4月13日の日本総研のレポートにより公開されている。
ただし、今夏の電力供給不足の解消を優先するあまり、短期的視点の議論に終始することは避けなければならない。今後人口が減少するわが国においては、電力需要は緩やかに減少していくことになる。加えて、化石燃料価格の上昇や再生可能エネルギーの普及拡大にともない、電力料金も押し上げ圧力の高い状況が続くことになる。現在わが国が見舞われている電力不足は、今後予想される大きなエネルギー需給環境変化の一要素であるとの理解が必要である。今般の電力不足を契機に、エネルギー供給体制の再構築や、産業部門における省エネ機器の研究開発への一層の注力、業務・家庭部門ではスマートシティやBEMS 、HEMSの導入拡大など、エネルギー需給構造の転換を進める中長期視点も重要となろう。
また、同研究所では22日には昨年自動車業界が実施した「
休日シフト」を行えば「
原発10基分相当の節電も可能」とする発表を行ったことも報道により明らかとなっている。
■日本の将来に原発は必須か?
人口減少、産業構造の変化、省エネルギー社会の構築など、将来的には電力需要が縮小してく可能性は高い。
一方で化石燃料に依存した発電は価格の高騰などの影響の問題が大きい。
再生可能エネルギーについても、不安定な供給となる自然に依存にどこまで重心を置けるのかという疑問もある。
今後は「
脱原発」を含め、バランスのとれた電力政策を検討する必要があるだろう。
【
naka773】

大阪府/第6回大阪府市エネルギー戦略会議
http://www.pref.osaka.jp/kannosomu/enekaigi/6_kaigi.html今夏の電力需給見通しと供給力不足懸念への対応-日本総研
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/policy/pdf/6033.pdf