■またしてもお笑い芸人の母親だが……
2012年7月5日、東京スポーツがお笑い芸人・
TKO木下氏の母親の「
生活保護不正受給疑惑」を報じた。
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AmazonTKO木下の母親・定子さんは現在、「焼き肉のきのした」を展開するキノシタグループの会長にある。同グループの年商は20億円。
東スポの指摘する「生活保護不正受給」疑惑はこのような事業の成功をなす前のことなのである。
■自著で生活保護受給のための虚偽報告を告白
昨年11月に発刊された「
TKO木下の母 きのったまオカン 涙と笑いの半生記」に、その問題の個所が記述されている。
私は子ども四人を一人で養っていくため、夫の”失踪届”を提出し、恥を忍んで生活保護を申請した。嘘をついて「失踪」という文字を書くのはつらかった。
この「
嘘をついて」と言う部分が問題視されているのである。
■虚偽申請は詐欺罪で10年以下の懲役だが
同紙では、日大名誉教授・板倉宏氏のコメントを掲載。虚偽の申請であれば、詐欺罪で10年以下の懲役になるということである。
もし、これが本当であれば大変であるが……。
■「嘘をついて」が嘘
この点に関し、定子さんのマネージメントを行っている松竹芸能では、「
嘘をついて」と言う部分が話を大げさにするためについた嘘であるとしている。
その時点で、夫が借金苦のため失踪し連絡が取れなくなっていたのは事実であるようだ。つまり、
本当に失踪していたということらしい。
そして、実際に定子さん一人の収入で子ども4人の生活を支えようとしていたことは事実である。しかも、それが無理であることは、事実上不可能なのは分かることなのである。
東スポは、関西国際大学の道中隆教授の言葉を引用し、このような状況での生活保護受給は
法律違反に当たらないとしている。
■大きく波紋と報道しているが?
東スポでは今回の件を、TKO木下氏の母親の生活保護受給疑惑が
「波紋」と書いてあるが、無駄に波紋を大きくしたのは東スポの報道にしか思えない。
それ以前には、大きな話題にはなっていない。東スポで「
疑惑浮上」と報道し、記事の中でそれを否定する。
ちょっとの波紋も見逃さない。これが東スポクオリティーである。
ネットにちょっとだけ記事が公開され、「真相は?」と煽りつつ
(※詳細は本日発行の紙面で)という手法――。
駅売りで見出しの折り目に結論を隠す方法をネットで応用したものだろうか。
ついつい、気になって買ってしまうという商売の上手さはネット時代でも相変わらずだ。
話題にされた方はたまらないだろうが。
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naka773】

東スポWeb – 東京スポーツ新聞社
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/21543/