■足立区、区民税374億円でナマポで420億円
2012年7月17日、「PRESIDENT Online」が足立区の生活保護費が区の税収を超えるという記事を掲載した。
同記事では2010年のデータで生活保護費が420億円に達し、374億円の区民税を超えていることを指摘している。
足立区役所に電話取材したところ、2011年9月に発表した「
財務報告書」(2010年度)が最新のものであることを確認。2011年の集計はまだ発表されていない。
足立区ではリーマンショック以降の
生活保護受給者の増加が激しいとして報告に上げている。
特にここ3年間で「
生活保護受給者」は19,640人⇒21,758人⇒23,587人と増加しているのである。
これに伴い支出も増加。2010年時点で420億円に達しているのである。
■不景気から税収は伸びず、生活保護者も増える
特別区民税の方は過去3年間で逆に
399億円⇒396億円⇒374億円と減少を続けている。
区民税の減少について足立区では長引く景気低迷によるものとしている。
特別区民税の減収の主な要因は、景気の低迷によるもので、低迷が長引けば、今後も厳しい特別区税収入の状況が続くことが予想されます。
(参考:財務報告書-足立区 政策経営部)
■生活保護の手厚さと最低賃金
この問題は足立区だけではなくおそらくは全国の自治体に共通する問題の可能性が高い。
生活保護受給者は210万人を突破し、毎月のように過去最大数の記録を更新している。
そして、足立区など都市部の場合は、「生活保護」の手厚さが財政をひっ迫させる要因ともなっている。
30代の単身男性の場合、生活保護費は
13万7400円を毎月受け取れるのである。
東京都の
最低賃金は時給850円である。1000円の時給を支払うアルバイトはかなり割のいい部類に入るだろう。
仮に1000円のアルバイトについたとして、月137時間以上労働しなければ生活保護と同じ金額が稼げない。
850円の場合はほとんどフルタイムで働いて互角である。
おまけに、生活保護は医療費無料などの特典もある。最低賃金に比べ、大きく恵まれている。
■最低賃金を上げるのか?
この解決方法の一つに最低賃金を上げて、生活保護と差をつけけるという考え方もある。
しかし、最低賃金を上げれば、雇用する側が雇用数を絞るだけである。
雇用主から見れば、労働者に支払う賃金の上昇は経営の方法を考え直すきっかけになる。その解決方法の一つには雇う人を減らすというのがあるのだ。
単純すぎるかもしれないが、最低賃金を時給1万円にした場合、経営者がそれでも人を雇うかどうかを考えてみればいいのである。
その価値があれば雇うだろう。しかし時給1万円の仕事などそうそう無いのだ。
■生活保護システムの見直し
最終的には、自民党が提案しているように、お金ではなく現物による支給などで、個々人の支給を減らすしか方法は無いだろう。
「生活保護」は本当に最低限の、そして最後のセーフティーネットである。
真面目に働くより、お金がもらえるという現状はおかしいのである。
【
naka773】
374億円<420億円-税収より高い「生活保護費」 :PRESIDENT Online - プレジデント
http://president.jp/articles/-/6682財務報告書-足立区 政策経営部
http://www.city.adachi.tokyo.jp/012/pdf