■企業の正社員不足は続いている
一般の人は雇用情勢は悪化しているという認識を持っていることが多いだろう。
大学生の就職難、リストラからの転職の困難さなど、雇用、再就職に関して良いニュースを耳にすることはない。
シャープや
NECなど日本を代表する電機メーカーも苦境に陥り、大リストラを敢行中だ。
そして、9月8日には
イトーヨーカード―や
セブンイレブンを展開する
セブン&アイ・ホールディングスが正社員を半減し、パートの比率を80~90%にするという発表を行った。
セブン&アイ・ホールディングス公式サイトこの計画は3年後の達成を目指しており、現在の正社員8600人が半数になるということである。
同社によると、パートという身分のままで「
店長」や「
役員」へ起用することで
優秀な人材を確保するとのことだ。
優秀な人材がパートの身分で満足するには、役職を与えればいいのだろうか?
とにかく、このようなニュースを耳にすれば、今の世の中で正社員になるのは難しいのではないかという感想をもってしまう。
■厚生労働省「労働経済動向調査」の発表では
ところが、9月6日に
厚生労働省が発表した「
労働経済動向調査(平成24年8月)の概況」では
正社員の不足が続く現状が明らかとなっている。
雇用形態別労働者過不足判断D.I.の推移(調査産業計)正社員が「不足」していると回答している事業所の割合から「」であると回答している事業所の割合を引いた「過不足判断指数」は12ポイント。
つまり、日本全体では正社員は不足しているのである。
しかも、この不足は5四半期連続で続いている。
また、パートの不足も続いており、12四半期連続で不足の状況だ。
結局は、求職者と企業のアンマッチが、データーには出てこない「
正社員になりにくい」という感想をもたらしているのであろう。
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naka773】
セブン&アイホールディングス
http://www.7andi.com/index.html労働経済動向調査(平成24年8月)の概況|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai