映画『渡り鳥も聴こえる』は、2023年7月に制作を開始し、クラウドファンディングや地域の方々の支援・協力を受け、2025年7月に完成しました。クラウドファンディングでは、支援者数180名、総額222万5千円の支援を達成。本作の舞台である福井県池田町での制作にあたっては、一般社団法人うみのいえの支援を受け、同法人が取り組むArtists In Residence(芸術家滞在)事業を通じて、2024年1月から2月にかけて、スタッフ・キャストが福井県池田町に滞在しながら撮影・作品づくりを行いました。
福井県池田町は、福井県の東南部に位置する山間のまちです。冬には深い雪に覆われる土地の風景や、そこで営まれる生活の時間、土地特有の静けさと人との距離感が、物語の軸に深く結びついています。
本作の中心にあるのは弱さを抱えたまま生きるものたちへのまなざしです。常に正しくあることが求められる現代社会では、誰もが道を踏み違え、取り返しのつかない思いや過去に縛られて立ち止まってしまう可能性があります。『渡り鳥も聴こえる』は、そうした言葉にならない痛みや孤独を、池田町でのふたりの青年の出会いと交流を通して描きます。現代の正義からこぼれ落ちてしまう人生に、少しでも想像力を巡らせることができるように――。人と人とのつながりから生まれるほのかな連帯と再生の可能性を信じて描いた映画です。
完成後は、第23回うえだ城下町映画祭自主映画コンテストノミネート、おおぶ映画祭2026「映画の可能性部門」選出、澁谷インディペンデント・フィルム・フェスティバル2026優秀作品選出、第24回中之島映画祭入選、ロサンゼルス日本映画祭2026公式選出、第18回福岡インディペンデント映画祭長編作品賞・俳優賞(一ノ瀬竜・竹内啓)Wノミネートなど、複数の映画祭で選出・上映されました。各地での映画祭上映を経て、このたび劇場公開へとつながりました。
主演
一ノ瀬竜 / 小山誠太役
1997年生まれ、神奈川県出身。株式会社METEORA所属。
2017年、第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで過去最多応募者の中からファイナリストに選出されたことがきっかけでデビュー。映画、TVドラマ、舞台で活躍中。2026年公開の『インコンプリート・チェアーズ』(26年/宇賀那健一監督)では、冷酷非道なシリアルキラーを狂演し話題を呼んだ。そのほか、主な出演作には、『ゴーストキラー』(25年/園村健介監督)、『津田寛治に撮休はない』(26年/萱野孝幸監督)、『遺愛』(26年/酒井善三監督)。ほか GORE GORE GIRLS 『役に立たない言葉が欲しい』(作・演出:西山雅之)、Netflixシリーズ『イクサガミ』、テレビ東京『キンパとおにぎり』など。