■開運商品に関する相談激増
2012年2月2日、国民生活センターが「
開運ブレスレッド」や「
数珠」の販売に関する注意を喚起する発表を行った。
雑誌広告などで宣伝されている「開運ブレスレッド」や「数珠」などでトラブルが急増しているとのことである。
このような開運商品の宣伝は雑誌の裏表紙あたりに掲載されていることが多く、見たことがある人も多いだろう。
金運がアップする、恋人ができるなど。札束に埋まった写真とともに、体験談などが語られるような宣伝も行われているあの開運商品だ。
■なぜ騙されるのか?
そもそも、そのような商品で人生が上手くいくなら誰も努力しない。売ってる業者もそんなに効果があるなら宣伝しないで自分たちだけで身に着けていればいいのだ。
ただし、人間窮地に追い込まれると何かにすがりたくなることは確かだ。被害にあった人の中には被災者で仮設住宅に住んでいる人もいる。
月刊誌で「3日以内に願いが叶かないます」と書いてある数珠の広告を見て購入した。数珠に同封されていた手紙に、「使い方の説明があるので電話をしてください」と書いてあったので業者に電話をすると、スクラッチクジを買うように指示された。クジを買ったが、外れだった。業者にその旨を伝えたら、スクラッチクジを買うときの注意点を教えてもらった。その通りにしたが、また外れだった。震災被災者で仮設住宅に入っていることを伝えたところ、受けとった見舞金の額を聞かれ答えるとすぐに全額引き出すように言われた。運気を上げるために水晶玉を送ると言われたので引き出した全額を振り込んだ。水晶玉とさらに数珠1つが送られ、言われた通り水晶玉に毎日手をかざして祈り、再度スクラッチクジを買ったが当たらなかった。電話でその旨を伝えたら「財産に因縁がある。身のまわりをきれいにしないと金運がつかない。浄化石を送るので、現在、通帳にある全額を引き出してくるように」と言われた。もうやめたいと伝えたが、「娘の片腕が無くなったり、交通事故に遭ってもよいのか」と言われ、預金の全額(15万円)で石を買うことにしたが、生活費が無くなるのでやめたい。
同センターは典型的な手口を紹介している。
典型的な手口1.雑誌広告などを見て、「願いが叶(かな)う」開運ブレスレットや数珠をハガキなどで申し込む
2.開運ブレスレットや数珠が送られてくる
3.商品に同封されていた手紙に、「使い方を説明するので電話をかけてください」と書いてあり、指示にしたがう
4.電話で話をしているうちに、業者に悩みを打ち明ける
5.「あなたには自殺する運気がある」「霊がついている」などと言われて、運気を改善するためにと新たな開運商品(祈祷サービス、霊石など)を勧誘される
少なくとも5番あたりで気が付きそうなものであるが、窮地に陥った人間の心理はその人でなければ分からないだろう。そのような気持ちにつけこもうという悪質なビジネスである。
同センターは対策として以下のアドバイスを行っている。
(1)お金を支払ったから運が開けるというわけではないと理解すること
(2)不意打ち的に電話で勧誘されても、すぐに契約しないこと。購入する気がなければきっぱり断ること
(3)クーリング・オフ期間内であったり、法定書面の交付がされていない・不備がある場合、クーリング・オフの申し出をすること
(4)不安をあおるような方法で次々に商品を勧誘されたり、業者が解約に応じない場合は、すぐに消費生活センターに相談すること
(5)勧誘時に恐怖を感じることがあれば、警察にも相談すること
至極もっともな話で、そもそもお金を払って運がひらくなどということはあり得ないということなのである。
普通の神社で、1000円以下で売っているお守り以上の効果のある開運グッズなどあり得ないということだ。
【
naka773】
開運ブレスレットや数珠の購入をきっかけに、“除霊のため”“運気を上昇させるため”と、次々に開運商品を売りつける手口に要注意!(発表情報)_国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120202_1.html