■ワタミ過労死問題
2012年2月24日、居酒屋チェーン店を展開してる「ワタミ」社長・渡邉美樹氏はツイッターで飛び降り自殺した森美菜さん(当時26歳)の過労死認定の問題に対し、今後は「
法令遵守」を約束するというツイートを行った。
縁あって、ワタミの思いに、共鳴してくれて入社してくれた一人の社員を守れなかったのは、事実。命懸けの反省をしなければならない。彼女に、心からお詫びをしなくてはならないと考えるに至りました。もう一歩、寄り添うことが、出来ていれば…一層の法令遵守 社員に寄り添う会社づくりを 約束します。
同日、このツイートに対する多くの人の指摘に感謝するというツイートを最後に、同氏はツイッターでのツイートは行っていない。
■約束は守られるのか?
このツイートに対しては「10年前から何も変わっていない、ワタミは地獄」というワタミに勤務していたと思われる人の返信もなされている。
果たして約束は守られるのだろうか?
その様な中、2012年2月28日に発売された「
週刊朝日2012年3月9日増大号」にてワタミ過労死問題に関する記事が取り上げられた。これにより
ワタミの「
地獄」のような労働実態が明らかとなった。
(参考:
ネットで祭りを起こしたワタミ社長のツイートとは?-ワタミ従業員の自殺事件、過労死認定について)
同誌はワタミの労働環境を「
現代の野麦峠」と表現している。これは貧農の娘が絹糸工場で過酷な労働(ピンハネあり)の中で衰弱して死んでいくという物語だ。
大竹しのぶが主演の映画「
ああ野麦峠」を見たことがあるが、ラストは死んだ大竹しのぶが背負われて野麦峠を超えていくシーンであった。
ワタミの労働環境はこの「野麦峠」に勝るとも劣らないレベルであるという告発がなされている。
自殺によるり過労死認定された森さんの残業時間は140時間である。しかし、ここでコメントしている店長は「
残業時間300時間以上」という恐るべき残業時間を告発している。
月30日働いて、平均10時間の残業である。8時間を通常勤務とすれば
18時間労働だ。
教科書にも載っている「女工哀史」で指摘されている長時間労働でも
12時間から17時間である。教科書に書かれる歴史的な過酷な労働を超えているのである。
果たして、このような企業の体質が改まっていくのであろうか。改善よりも発覚しないようにする企業は多い。
労働環境を見えないようにして「
名前だけの管理職にする」、「
形だけの裁量労働制とする」などで残業の実態を見えなくする問題はワタミに限った話ではないのである。
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naka773】

女工哀史 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E5%B7%A5%E5%93%80%E5%8F%B2
朝日新聞出版 最新刊行物:雑誌:週刊朝日:週刊朝日 2012年3月9日増大号
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=13529