■東日本大震災が企業ビジネスに与えた影響は?
東日本大震災は日本全体に計り知れない物的・精神的影響を与えた。
そして、
企業ビジネスにも大きな影響を与えていたことが分かった。
プロモーション活動(販促活動)というビジネスの根本部分において大きな意識の変化が現れているようである。
2012年2月21日、市場リサーチ企業の
株式会社矢野経済研究所が「
震災以後の企業プロモーション戦略に関する調査結果 2012」を発表した。
このレポートは、震災以後の、「消費者の価値観の変化」、「企業プロモーション戦略の変化」について調査したものである。
■消費者の価値観の変化と企業の対応
このレポートでは消費者の価値観は「
安全・安心」「
生活コスト」「
環境配慮」「
社会貢献」を重視していることを企業側は認識していることが明らかとなった。
特に福島第一原発事故による放射能汚染の拡大は「
安全・安心」が69.5%と1位とする原因となっている。
このような消費者ニーズの変化については企業側も十分認識をしているようである。
消費者と向き合う企業は「
社会貢献」、「
環境への配慮」などを重視するようになってきているといえるだろう。
消費者と向き合う上で何を重視しているかという質問に対し、「
社会貢献」が43.4%、「
環境への配慮」が40.0%となっている。
そして、そのための企業プロモーションの方向性については以下の様に、「
ファン作り、関係構築」が45.6%、「
継続的なキャンペーン・取り組み」が35.6%、「
一貫したメッセージの発信」29.4%の順に重視している結果が出た。
企業側が「
Facebook」や「
Twitter」 などのソーシャルメディアを活用するケースが多くなってきているのもこの方向性に沿ったものである。
■企業プロモーション活動のテーマは?
このような消費者ニーズの変化を受け、企業側のプロモーション活動のテーマも大きく変化してきている。
震災、原発事故によるダメージは企業にとっても他人事ではないのである。
「
地域社会への貢献」が58.0%、「
復興支援」が58.0%とこの2つのテーマが全体の6割近くを占める突出したテーマとなっている。
■社会貢献と企業のプロモーション活動は両立するのか?
企業は利益を求める存在である。その企業のプロモーション活動も当然、企業の利益のために行われるものだ。
企業プロモーションと社会貢献は「
WinWin」の関係を構築することが出来るのだろうか?
企業の社会テーマへの関心は、「関心がある」が32.5%、「多少関心がある」が25.6%であり合計60%近い値となる。多くの企業が関心を持っているといっていいだろう。
では、社会貢献と企業ビジネスは両立するのだろうか?この質問に対し、多くの企業が肯定的な回答をしている。
「とても思う」が11.3%、「そう思う」が67.2%であり、合計で約80%の企業が両立可能と回答している。
多くの企業が
ビジネスと
社会貢献は「
WinWin」の関係になれると認識していることが分かったのである。
【
naka773】
震災以後の企業プロモーション戦略に関する調査結果 2012 - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
http://www.yano.co.jp/press/press.php/000914