■民間独自基準に対する国の対応
先月20日に
農林水産省より出された「
東日本大震災について~食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知の発出について~」で、政府は民間による食品の放射能汚染の独自基準設定に対し禁止を要請した。
しかし、この通知はその後大きな反発を呼ぶことになる。
そして、3日後の4月23日には
鹿野道彦農相が「
強制力はない」として事実上の撤回ともとれる発言を行っているのである。
結局、「混乱を避けるため」という名目は何であったのだろうか?
この政府の一連の対応に対し、「
東京新聞」と「
産経新聞」が好対照の論調を掲載している。
■東京新聞「国の基準は信用できるか」
東京新聞は5月6日の社説にて「週のはじめに考える 国の基準は信用できるか」として民間が
食品の放射能汚染に対して
独自の基準を設定することに
肯定的な意見を掲載した。
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UE-PON2600国の安全基準では「
物が売れない」という現実がそこにあるというわけだ。
その根底には国に対する不信感があるとしている。国の基準を鵜呑みにせず、在野での議論を進めていくべきだとしている。
この、「
東京新聞」の主張に対し真反対といえる内容を掲載したのが、「
産経新聞」である。
■産経新聞「独自基準が混乱を広げる」
産経新聞では、「
独自基準が混乱を広げる」として、消費者の間で混乱が生じているという前提で論調を展開した。
そして、4月23日には鹿野道彦農相の事実上の撤回宣言を批判。
一度決めた通知をすぐに変えるようでは朝令暮改で、新基準自体の信頼性も失われかねない。
その発言は、政府の定めた新基準の信頼性すら失いかねないとした。
同紙は、4月の食品の放射性セシウム検査で、新基準値を超えた食品は2.4%にあたる337件であったことを根拠として、食の安全は保たれていると主張している。
厚労省によれば、4月1日~30日の1カ月間に新基準値を超えた農水産物はヒラメやスズキ、シイタケ、タケノコなど検査対象の2・4%にあたる337件にすぎなかった。この比率を見れば、農水産物の安全性は消費者に届く前に確保されていると考えられる。
なぜ、この数字で消費者に対する食の安全が保たれていると考えるのかはよく分からない。
根本には「
原発再稼働」に向けた論調の差が食品の放射能汚染の安全性の主張にまで影響していると考えられる。
国民の間に、政府の言うことを鵜呑みにできなくなっているという事実がそこにあるのは確かなことである。
そして、政府は国民を説得することができない。
鹿野道彦農相の発言などは最初から説得を放棄しているのだ。
今回は、政府の発言を鵜呑みに出来ないという現状を把握している「
東京新聞」の論調に分があるように思える。
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naka773】

農林水産省/東日本大震災について~食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知の発出について~
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/ryutu/120420.html【主張】食品と放射能 独自基準が混乱を広げる+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120505/trd12050503380005-n1.htm東京新聞:週のはじめに考える 国の基準は信用できるか:社説・コラム(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012050602000116.html