■国会図書館が「チェルノブイリ原発事故資料」を移送?
2012年6月19日、
国会図書館が「チェルノブイリ原発事故の被害関連資料」を関西分室に全て移送したというツイートが発せられた。
永田町の国会図書館から、貴重なチェルノブイリ原発事故の被害関連資料が全て消えた。問い合わせると、関西の分館に移動したのだという。コピーはない。いやらしいやり方。国会に併設してるのは、議員など公人が正式な資料として利用するからだ。先日はネットからチェルノブイリの奇形児画像が消えた。
議員など公人が正式な資料として利用することを防ぐためであると主張しており、同調している人も多い。
これは、本当にある意図をもって関西分室に移送したのであろうか?
■チェルノブイリ関連資料は東京から無くなっているのか?
まずは、東京の国会図書館からチェルノブイリ関連資料が無くなっているという部分について確認してみた。
「
チェルノブイリ」で検索すると蔵書の図書館が出てくるが、そもそも最初から東京に全てがあるわけではないのである。
「貴重な資料」とは何を指すのか?
まずは「
チェルノブイリ」の博士論文は、国会図書館には2件しかない。
鷹野和美、振津かつみの両氏の論文である。確かにこの2つの論文は関西に移送されていることが確認できる。
■国会図書館に取材確認
まずは、国会図書館では蔵書の分散配置ということを行っている。
国会図書館の関西館には以下の資料が保管されることが決定している。
・国内の図書、雑誌の一部
※複数納本された場合の2部目を含む。雑誌は雑誌記事索引採録誌が中心
・外国の雑誌
・アジア諸言語の図書、雑誌、新聞
・科学技術関係資料
・文部科学省科研費報告書
・国内博士論文
電話で国会図書館に確認したとことろ、この決定は2002年以前になされたもので、新しい資料や未整理なものも順次この方針に従って整理されているとのことである。
博士論文は、「国内博士論文」なので関西に移送されたということで説明できる。陰謀に結びつける必要はない。
■チェルノブイリ資料移動は陰謀か?
それらしい動きを「陰謀」で説明するのは簡単なのであるが、ネットで資料の検索ができ、関西まで行けば閲覧できるものを、議員の利用を避けるために関西に移動したというのは考えにくい。
国会議員が本気で仕事をしようとすれば、資料を探しに関西の国会図書館に行くくらいは簡単な話である。
この移動で資料の引用を諦めるような議員など最初から原子力問題に足を突っ込んだりはしないだろう。
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naka773】
Twitter / 2012wat: 永田町の国会図書�
https://twitter.com/2012wat/status/215079213693284352国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/index.html