■アレルギーの原因タンパク質とメカニズムを解明!
2012年6月11日、佐賀大学医学部の出原賢治教授や九州大学、岐阜薬科大学などのチームが、「
アトピー性皮膚炎」や
「気管支ぜんそく」などの
アレルギー症状を慢性化させる
原因タンパク質の特定と、その
メカニズムを解明したことを発表した。
image from
Biting / yoshimov 論文は、米国臨床試験学会の専門誌「
ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(Journal of Clinical Investigation)」に掲載されている。
■炎症が続くメカニズムとは?
アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどは、アレルギー原因物質である「ダニの死骸」や「花粉」などに触れないように暮らしていても、その症状が継続するケースがある。
原因物質に接触していないのに、炎症が続くのは何故なのか?
今回の研究はその謎を解明したことになる。
まず、研究チームはアレルギー原因物質とは全く関係なく、体内に炎症を慢性化させるメカニズムがあると仮定。
研究の結果、「
ペリオスチン」というタンパク質がアレルギー物質が体内侵入の際に生成され、その物質が他のタンパク質と結合する際に炎症が発生することを突き止めた。
マウス実験のレベルではこの「
ペリオスチン」の結合を阻害する抗体を投与し、アトピー性皮膚炎が発症しなくなることを確認している。
■副作用を気にしないでいい薬の開発へ
アトピー性皮膚炎の治療薬というと、副作用の強いステロイド薬が中心である。
今回の研究により、副作用を気にすることなく使用できる治療薬の開発に道筋をつけたと、研究チームの代表である佐賀大学医学部の出原賢治教授はコメントしている。
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naka773】

JCI - Periostin promotes chronic allergic inflammation in response to Th2 cytokines
http://www.jci.org/articles/view/58978