■大飯原発再稼働!関電の強気
2012年7月5日、
関西電力は福井県の
大飯原発3号機の発電と送電を開始した。
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KEI9日にはフル稼働に入るという。
しかし、このなし崩しともいえる大飯原発3号機再稼働には、いまだに批判の声が大きい。同原発の再稼働をもって、他の原発の再稼働への動きも胎動しているようだ。
民主党が当初主張していた「
必要性」と「
安全性」の両立が無い限り稼働しないという中で「
必要性」についてはどこかへ行ってしまい議論すらされなくなってしまいそうだ。
さて、この原子力発電であるが、東京新聞が7月4日に報じたところによると、関西電力は
重大事故発生確率を770万年に1度と計算しているとのことである。
■それぞれの危機の故障率を掛け算
電力会社の計算方法は原発を構成する機器の故障率を掛け算し、全体の事故発生率を求めるというものである。
これは、それぞれの機器が独立しており一つの機器の故障で全体が停止したり、重大事故を招く可能性がないという前提で成立するものである。
6月30日から7月1日にかけ、東京電力の福島第一原発4号機「
燃料プール」の冷却システムが33時間に渡り停止した。
東京電力はその原因を以下のように説明している。
※本日6月30日午前6時24分頃、福島第一原子力発電所4号機において、使用済燃料プール代替冷却システム異常に関する警報が発生し、使用済燃料プール代替冷却システムが自動停止。その後、現場にて漏えいがないことを確認。なお、システム停止時の4号機使用済燃料プール水の温度は約31℃で、プール水温度上昇率は0.486℃/hと評価。同日、現場にて調査を行った結果、UPS(無停電電源装置)に問題があると推定されたことから、7月1日午後1時35分頃より、異常があると推定されたUPSのバイパス作業を開始し、同日午後2時45分頃作業が完了したことから、同日午後3時7分頃に使用済燃料プール代替冷却システムのポンプを起動し冷却を再開。なお、冷却再開時の使用済燃料プール水温度は42.9℃(仮設温度計の指示値)。今後、異常があると考えられるUPSについては、交換を実施する予定。
(参考:2012.7.1プレスリリース|東京電力)
イメージとするとこのような感じだ。(故障率は仮の数値)
全体の故障率は0.1×0.1×0.1ではない。何か重要な危機に問題が発生すればシステム全体が危機になることが十分想定されるのが、原発というシステムではないだろうか?
その場合、その機器の故障率、バックアップ機器の数によって故障率が算定されるはずである。
■34年に1回どこかで重大事故があおきる
東京新聞では故障率の発生、危険性について電力会社の認識を保険会社の算定数値をだし批判している。
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Amazon損保会社が算定している事故発生確率は
2100年に1回なのである。関西電力の
770万年に1回とは大きな開きがある。
この算定に従うと、全国に54基ある原発が稼働している場合、国内のどこかで重大事故が発生する
確率は39年に1回となる。
そして、電力会社は損保会社が算出している事故発生確率に納得して、保険に加入しているのである。
もし、
770万年に1回に絶対の自信があるならば、損保会社に高い保険料を払うことも無い。それだけ経営的にも楽になるのだから。
現在、電力会社が支払っている保険料は原発1基に対し平均
5700万円。これが、1000万年に1回の事故率なら
1万2000円に保険料は下がるのだ。
電力会社は、損保会社が納得しない安全性を国民には信じ込ませようとしているのである。
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naka773】

東京新聞:原発事故確率 現実離れ 電力会社「1000万年に1回」:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article関西電力株式会社
http://www.kepco.co.jp/