■東電値上!一般家庭は9月から
2012年7月19日、
東京電力の家庭用電気料金の値上げについて、藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、松原仁消費者担当相閣僚の3閣僚が合意したことが報道により明らかとなった。
電気料金の値上げは9月1日から実施となる。
東京電力側は当初
10.28%の値上げを申請していたが、今回の合意では、人件費圧縮などの経営努力により、若干ではあるが値上げ率は下がり
8.47%となった。
しかし、
社員人件費は聖域のようであり
20%減少の当初計画を堅持している。
このニュースにツイッターでも「
東電値上げ」がトレンドワードに浮上。
社員の人件費が守られていることに怒りのツイートをする人が目立っている。
■日弁連の指摘する値上げの問題点
東京電力の値上げに関しては、「
日本弁護士連合会」が7月12日に問題点を指摘する会長声明を発表している。
さて、当連合会では、今回の値上げ申請に当たって、特に東京電力が拠出するとしている特別負担金と事業報酬との関係が不明確であり、株式配当や銀行金利の支払いを従前どおり続ける前提となっていることが極めて問題であると考える。
日弁連が問題視しているのは「特別負担金と事業報酬との関係が不明確な点」、「株式配当や銀行金利の支払いを従前どおり続ける前提となっている点」である。
特に、事業報酬の算定における、特定固定資産の計算が仮定に基づいた計算を行い、電気料金原価に算入している点を指摘している。
前提となる資本構成比は仮定の値であり、実際の同社の自己資本比率は5.6%に過ぎない。実態に即した資本構成比を前提にした場合には、事業報酬額は、それだけで1、769億円と大幅に減額となる。
そして日弁連は、東京電力は「
配当と内部留保の原資として認められている自己資本報酬を原価算入する根拠を欠いている」と指摘している。
自社の責任で起きた
福島第一原発事故の賠償ため国から
2.4兆円の資金交付を受けていること。そして、1兆円の資本注入を受けたことで債務超過を避けているのである。
このことを前提として考えれば、消費者の負担の増加で配当を受けることはありえないと断じている。
消費者の負担増によって配当を受けることはもちろん、内部留保によって株価が上昇することを期待することはできない
そして、銀行に支払う返済に関しても過去10年間で現実に今回想定している
1.61%の利息など払っていないと看破する。
最後に、他人資本報酬率についても、東京電力は、過去10年にわたり、現実に1.61%もの利息を支払った形跡がなく、さらに現状においては国の支援無くして東京電力が融資を受けることは不可能である。国の保証を前提にした利子率を前提とする1%強まで利率を圧縮すべきである。
この他にも、今回の値上げに関する算定の方法についてのおかしさが指摘されている。
このような算定のおかしい値上げを認めるということは、国も共謀して消費者に負担を負わせるということだ。
日弁連では最終的に事業報酬のうち
2,000億円は、電気料原価に組み込むべきではないとしている。
【
naka773】
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:東京電力値上げ申請についての会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statementTwitter / 検索 - 東電値上げ
https://twitter.com/#!/search/