■新・富裕層と貧困層の対決
2012年8月6日に発売された「週刊現代」8月18日・25日合併号にて「
新・富裕層と新・貧困層の対決が始まった!」とすると特集記事が掲載された。
同記事で注目すべきは、現在の低迷状態ともいえる日本経済の中でも「新・富裕層」といわれる層が増えているという点である。
組織に属さない新しいタイプの“自営業者”
このように表現されているが、それは自身のキャリアを生かし独立起業を果たした者たちである。
そして、彼らはお互いにネットワークを作り上げ、資産をどんどん増やしているとのことだ。
実際に、同記事を裏付けるデータもある。
6月19日に発表された世界の富裕層の増減を調査したキャップジェミニとRBCウェルス・マネジメントによる「
ワールド・ウェルス・レポート2012」では日本の富裕層は確実に増加していることが明らかになっていいる。
同レポートでは「
富裕層」を不動産、収集品、消費財、耐久消費財などを除いた金額で
100万ドル以上の投資資産を持つ者と定義。
日本における富裕層は前年比4.2%の増加を見せており、1,822,000人でアメリカに次いで2位である。
■ワーキングプアと生活保護者の増加
その一方で、中高年者のリストラによるワーキングプアも増加している。
一昔前であれば高学歴・高スキルと評価された人も、ビジネスのグローバル化により、より単価の安い労働力を外国で確保できる状況ができているのである。
中途半端な高い学歴・スキルは「
オーバーキャリア」となりその人の再就職を阻む。単純で給料の安い就職先では、敬遠されてしまうのである。
そんな高学歴な人は職場の空気になじまないという理由だ。
結局、パート、アルバイトに就職するのも苦労する結果となる。
そのような人たちも増加中だ。
更に、生活保護については現在210万人。毎月の発表毎に新記録を更新中だ。
■貧富の格差の固定化は社会維持コスト増加を招く
「週刊現代」では、この様な貧富の格差が徐々に固定化されていると結論しているのである。
さて、もし貧富の格差が固定化され、貧乏人の子は貧乏人。金持ちの子は金持ちと言う世の中になったらどうであろうか。
日本が今まで一定の治安を保ち、それなりに秩序ある社会を作っていたのは、階層が無く人々の不満がそれほど生まれなかったからだ。
貧富の差の固定は治安を悪化させ、社会の秩序を崩壊させ、富裕層にとってもそれは「税金」という形で負担が増えていくのである。
さもなくば、国外脱出だが、ビジネスの基盤が国内の人はそうはいかないだろう。
階層の固定化は、富裕層にとってもメリットばかりではない。
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naka773】
週刊現代Online
http://online.wgen.jp/World Wealth Report 2012 from Capgemini and RBC Wealth Management | Wealth Management | Capgemini Worldwide
http://www.capgemini.com/services-and-solutions