■65歳まで会社に尽くせ!
これが意味のある法改正かどうかは非常に疑問のあるところである。
2012年8月2日、「
高年齢者雇用安定法」の改正案が、衆議院本会議で可決された。
改正案は、企業に対し定年を65歳までの雇用を義務付けることに合わせ、
勤務状態、
健康状態に著しい問題のある被雇用者を定年延長の対象から外す内容となった。
労働力が「商品」であるならば、それを国が強制的に企業に買えといっても、買うに値しない価値がなければ買わないのである。
年金支給に合わせ、つじつま合わせにのための法改正を行ったが、これはサラリーマンにとっての恩恵でもなんでもない。
■40歳定年はどうなった?
7月6日に発表された国家戦略会議の繁栄のフロンティア部会の報告書がある。
日本経済新聞が「
40歳定年」を政府が打ち出したと報じたことで話題になった報告書だ。
日経の記事では「
70 歳を超えても活躍の場が与えられるというのが前提」という報告書にある前提条件が報じられていない。
「
40歳定年」だけを強調したトンデモ記事になっている。
一応、この報告書は75歳まで働ける環境を作るためには、企業に定年制の延長を強制するのは「
人材の固定化」、「
企業の競争力低下」を生みよくないと指摘しているのである。
今回、まったく真逆の方向の法改正が行われるわけである。民主党政権はいったい何をどうしたいのであろうか?
年金とのつじつま合わせをしたいだけの法改正であり、実施されるかどうか分からない。
また、もし実施されれば、国家戦略会議の繁栄のフロンティア部会の報告書の指摘通り、「
人材の固定化」と「
企業の競争力低下」を生む出すだけであろう。
ちなみに、国家戦略会議の繁栄のフロンティア部会の報告書作成にも税金は投入されているのだ。
【
naka773】
高年齢者雇用安定法の改正のお知らせ|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/国家戦略室 - フロンティア分科会
http://www.npu.go.jp/frontier.html雇用流動化へ「40歳定年を」 政府が長期ビジョン :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article