■放射性セシウム除去技術と分離プロセス開発
2012年9月24日、DOWAホールディングス株式会社が新たな
放射性セシウム除去技術と分離プロセスを開発したことを発表した。
DOWAホールディングス株式会社公式サイト
この技術はDOWAエコシステム株式会社、DOWAエレクトロニクス株式会社、東京慈恵医科大学の共同開発によるもので、「
磁性除染剤」を使用し
焼却灰に含まれる
放射性セシウムを分離する技術である。
■焼却灰最終処分の問題
焼却灰は、焼却され体積が減少することで、放射性セシウムの濃度が上昇する。
焼却灰の中には1キログラム当たり数万ベクレルとういう値を記録するケースもある。国の埋め立て基準値は同8000ベクレルであり最終処分場の確保に難渋する自治体も多い。
千葉県では手賀沼近くの下水処理場に一時保管場を設置する計画であるが地元住民からは反対の声が上がっている。
■焼却灰の放射性セシウム濃度を下げる
今回開発された技術は焼却灰を水溶液の中に入れ、水に溶けた放射性セシウムを「
磁性除染剤」に吸着させ、磁石によって分離するというものである。
効果は放射性セシウムの濃度を半減以下にすることが可能なものだ。
実証試験では、放射性セシウム濃度を3,800Bq/kg から1,500Bq/kg へ低減したことが確認出来ています。
(参考:DOWAホールディングス株式会社:リリース)
しかし、放射性セシウム吸着した磁性体は放射性セシウムを閉じ込めるわけではない。しかも高効率で放射性セシウムを集めるので1キログラム当たりのベクレルは非常に高濃度になる。その分、量は減るのであるが。
同社の広報に確認したところ、高濃度放射性セシウムの処理に関する国の法整備を待って、現場に投入するとのことである。
【naka773】

DOWAホールディングス株式会社
http://www.dowa.co.jp/