アップル社の姿勢
米アップルと文書・画像処理ソフトのアドビ・システムズ、両社の溝が深まりつつある。
ウォール・ストリート・ジャーナルによるとアップルの
スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は、アイパッドをネット閲覧環境を根本的に変える製品だと述べている。ちなみにこの
アイパッドはアドビの動画処理規格「Flash(フラッシュ)」に対応していない。このことが公になった後、アドビの株価は3%下落したそうだ。
アドビによると、ネット上の全動画の75%以上および対話式広告の90%以上にフラッシュ技術が使用され、ほぼ全てのクライアントパソコンにプレイヤーがインストールされているそうだ。この事から分かる様にフラッシュは現時点で最も広く普及したウェブ向けの動画処理技術である。
しかしながら、アップル社の
ジョブズCEOはフラッシュは「バグが多い」(事実セキュリティホールが最近も見つかっている)と述べ、同社のパソコン「Macintosh(マッキントッシュ、通称マック)」がダウンする問題の原因の大半はフラッシュプレイヤーにあると批判し、アイパッドへの搭載を見送っている。近年のアップルはフラッシュを締め出す動きを強めている。
ネット動画の規格
アップルが同社イベントでアイパッドを披露したとき、ウェブサイト上の、通常フラッシュ技術を使用した動画や画像が表示される部分には、何も表示されていなかったそうだ。
なぜならアイパッドは
HTML5を使用したウェブサイトをサポートしている。これはアップルや米インターネット検索大手グーグルが加盟するコンソーシアムが現状開発段階の新しい規格である。
新しい規格を使うメリットとして、オープンプラットフォーム向けアプリケーション開発を、アップルが管理することができるからではないかと指摘しているアナリストも存在している。
一部のアナリストは、フラッシュをサポートしないという同社の決断は、予想以上の論争や溝をつくってしまうだろうと指摘している。
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