世界に遅れを取る日本のソーシャルアプリ開発を促進
教育系IT企業のフューチャーインスティテュート(株)は15日、日本が世界に遅れを取っていると言われるソーシャルアプリの開発を促進するため、アイデアがありながら資金不足で開発ができずにいる個人・中小企業に対し、開発資金を提供する「
フューチャー・ソーシャルアプリ・イニシャチブ(FSI)」を発表した。
企画審査と面接試験によりすぐれたソーシャルアプリのアイデアや人材を発掘し、その開発資金を提供するもので、必要があれば、開発環境や開発拠点の提供も行うという。
また、同社がもつ英語教育や海外大学院への留学支援事業のノウハウを使い、合格者に対する英語の教育も行う。これにより、国内のみならず、世界に向けたコンテンツ開発を促進するとのこと。
支援規模と対象
資金の規模はアプリの内容により100万円から3,000万円の間で決定される。また、個人の場合、立ち上げ時の課金やサーバー契約等は同社が一括して行い、ある程度の規模に成長した場合、法人化を支援するという。
ソーシャルアプリを提供するSNSは、今後、ますます成長が続くとみられ、課金を含めたネット上のインフラになるとも言われ、このままでは日本は世界のSNS大手にとっての刈り取り場になると危惧する声も多い。
同社はこうした状況を踏まえ、アイデアと熱意がありながら、不況の中、開発に踏み出せずにいる個人や中小企業を支援し、
日本発のソーシャルアプリの充実を目指す。
クラウド化の流れの中で…
選ばれた開発者には資金の返済義務はなく、同社は開発されたソーシャルアプリの成功によって生み出される収益の一部(レベニューシェア)で回収を目指すとのこと。
同社は1999年、鶴谷社長がセコム・デジタルハリウッドらの支援により設立した教育系ITベンチャーで、キッズ向け「Practica」のフランチャイズ事業も展開する。
子ども向けパソコンスクールの運営をはじめ、教育コンテンツの制作など教育とITを切り口に事業を広げ、最近では全国初の「
教育クラウド※」と言われる、東京都の「教育コンテンツ活用システム」のデジタル教材を開発している。
今後は
デジタル教科書や
電子書籍が本格化することを見据え、ゲームソフト開発会社や出版社との提携を進めるなど、様々な布石を打ってきており、今回のソーシャルアプリ開発支援も、教育のクラウド化やコンテンツのクラウド化の流れの中で、ソーシャルアプリの存在が欠かせないと考え、決断したという。
※教育クラウド:全国に点在するサーバーの中にデジタル教材が格納され、学校の電子黒板やパソコンはもちろんのこと、生徒の自宅のパソコンや携帯電話からも教材の利用が可能になる仕組みのこと。
2010年2月発表の総務省「クラウドコンピューティングに関する研究会」の中間報告の中でもその実現が期待されている。
「
フューチャー・ソーシャルアプリ・イニシャチブ(FSI)」について
応募期間: 2010年3月29日(月)~2010年4月9日(金)
支援金額: 100万円~3,000万円
開発期間: 4月1日(木)~7月31日(土)の間の1~3か月間
決 定: 応募受付次第選定し、個別に決定次第開発開始
※詳細はフューチャーインスティテュートまで。
担 当: 内冨(うちどみ)
TEL 03-5207-6671
メール pub@practica.jp
ホームページ http://www.practica.jp
(応募要領の発表は3月23日より開始)
フューチャーインスティテュート(株)Practica(プラクティカ)