過去の知識・経験を地域社会で発揮
八王子市では、”志”を持った概ね50歳以上の方を対象に、起業を支援する『はちおうじ志民塾』を今年も開塾する。
これは、今まで培ってきた知識や経験を活かし、社会貢献活動や産業活動などの担い手として、地域に根ざして主体的に活動をしていきたい人を支援するもので、4月中旬をめどに参加者を募集するとのこと。
単に知識を習得するということではなく、各人が自らの可能性に気付き、今までの人生で培ってきたものを地域社会で発揮して自分らしい生き方を実現する、このサポートを行うことが同塾のミッションという。
夢に向かい実践的な知識・スキルを学ぶ3つの専門課程
同塾は、これまでのキャリアを見つめ直す基礎課程と、基礎課程を通じて見出した各人の夢に向かって、より実践的な知識・スキルを身につける専門課程とで構成されている。
<基礎課程>
夢の実現に向け人生の棚卸しをするベースプログラムで、専門課程に進む前に、自身の経験や能力を再確認し、自分の“海図”(進むべき道)を探す場。
このために、まず環境を整える必要があり、一歩を踏み出すために必要な前提条件を整理し、さらに人生を振り返り、次を見据えた準備をするカリキュラムで、全ての受講生を対象に行うもの。
<専門課程>
今まで培った経験・知識に加え、新しいスキルを身につける3コース。
1.創業コース
企業人として培ってきた、経験、技能、人的ネットワークを駆使して、独立創業するために必要な、法的知識、財務会計、労務管理、マネジメント手法などを学ぶコース。
(サイバーシルクロード八王子「本気の創業塾」との共同実施。)
2.コミュニティビジネス(社会起業家)コース
地域の様々な課題を解決する事業や、地域資源を活用した事業(コミュニティビジネス)を起業する「社会起業家」を目指すコース。
地域課題の洗い出しの手法や、コミュニティビジネスの経営ノウハウ、法務・税務知識などを学ぶ。
3.地域コーディネーター養成コース
地域コーディネーター養成コースでは、地域の様々な資源(人、企業、団体など)を繋ぎ(コーディネート)、地域活性化のプロデュースを行うスキルを習得する。
コミュニケーション技法、様々な主体の巻き込み方など、地域で活動するために必要な知識などを学ぶ。
いま50から60歳台というと、まだまだ元気な年代。企業社会で懸命に仕事に生きて来た人達なので、すでに高い能力を有しており、余生を今度は地域に対して力を尽くせる環境作りは、どこの自治体でも意味がありそうだ。
八王子市を模範として、こうした取り組みがますます拡がることに期待をしたい。
はちおうじ志民塾