肉の生食の危険性の啓発などを厚生労働省へ要望
焼肉酒家えびす砺波店などで発生したユッケ(生肉)に付着した腸管出血性大腸菌が原因とみられる集団食中毒事件を受けて、平成23年5月6日、富山県は、「厚生労働省への要望について」と題した報道発表を行いました。
(画像は、富山県HPトップページ)
この報道発表によると、富山県は、厚生労働省に対し、次の事項について取り急ぎ必要な措置を講ずるべきだと指摘しています。
1 生食用食肉について、食品衛生法第11条に基づく規格基準として、腸管出血性大腸菌など病原微生物による食中毒の発生防止を図るための成分規格、加工基準及び保存基準等を設定すること。
2 食肉の生食の危険性について、テレビ、新聞等のメディア媒体も活用し、消費者に正しい知識を積極的に提供するとともに、食肉の生食を安易に助長することのないようにすること。(平成23年5月6日、富山県News Release、富山県HPより引用)
<参考・食品衛生法第11条>
第十一条 厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。(法令データ提供システム、電子政府の総合窓口 イーガブHPより引用)
そして、これを見ると、今後、『ユッケ』など生で出される食肉の料理の提供に対して、行政による規制が強化されることが推定できます。
報道機関への富山県のお願いとは
平成23年5月9日、富山県は、「腸管出血性大腸菌による食中毒事案について」と題した報道発表を行いました。
この報道発表において、富山県は、報道機関に対して以下のお願いをしています。
【報道機関各位へお願い】
報道に際しては、患者様御本人及び御家族のプライバシーに十分な御配慮をお願い致します。
食肉を原因とする食中毒の予防(肉の十分な加熱、調理器具の消毒等)についての啓発にもご協力をお願い致します(平成23年5月9日、富山県News Release、富山県HPより引用)
ここで注目すべきは、マスコミに対して食中毒予防の啓発をお願いするにあたり『肉の十分な加熱』について、わざわざ記載されている点です。つまり、少なくとも富山県は、ユッケなど生肉を食べる行為自体も問題視しているとみられます。
飲食店など食品分野の企業にとって、行政が発する情報や食品安全行政の動向は、事業の方向性に大きな影響を与えるので、食品関連の会社設立を目指す人には、今後の厚生労働省の動きなどは特に注視してほしい。
<関連ニュース>
【生食用食肉(ユッケ)の衛生基準】厚生労働省、食品衛生法に基づく規制(罰則つき)を導入へ
http://www.otonano-kaisha.com/news_vr2eaxzPv.html【集団食中毒問題】今注目されている「ユッケの危険性」を指摘した東京都のサイトとは
http://www.otonano-kaisha.com/news_vgF0nvYyZ.html
厚生労働省への要望について (平成23年5月6日、富山県News Release、PDFファイル、富山県サイト内)
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1207/00010532/00410094.pdf腸管出血性大腸菌による食中毒事案について(平成23年5月9日、富山県News Release、PDFファイル、富山県サイト内)
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1207/00010532/00410098.pdf富山県
http://www.pref.toyama.jp/焼肉酒家えびす
http://www.ebisu-net.com/index01.html法令データ提供システム(電子政府の総合窓口 イーガブサイト内)
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi